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18歳の誕生日……私を守るためとこの離れに閉じ込められた。
母が言うには何百年に1度生まれた時に魚の鱗を持つ赤子が生まれたらこうするような掟らしい。
……守護するものが現れるまで……。
「…………どうして……どうして私なの!!……こんなもの……こんなもの持ってたばかりに…。」
ネックレスにした鱗を握り締める。
…訳が分からない…。水無月家の掟なんか私には関係ない……。
……涙が知らずに溢れ出す。
………ポタポタ…………ポタポタ……………コロン………。
…涙だったものが床につくなり綺麗な真珠のへと変わる。
「……何……何これ!!…しん……珠?」
どうしてしまったんだろう。私の体……どうなるんだろう…これから私…。
不安だけが頭を過るが睡魔には勝てず、用意されたベッドに体を沈め意識を手放した。
++++++++++
……腫れぼったい瞼、あまり眠れなかった。
…この場に居たくない。逃げ出してしまいたい。
とにかくこの空間から、私を縛り付ける牢獄から逃げなければ………―。
私の頭はそればかり…。大人しくしてるなんて性にあわない。
「このまま大人しく部屋に居る蓮【レン】さまと思うな!!」
……着物の裾を捲り袖を襷【タスキ】で縛り格子をガタガタと揺する。
「……この……外れろ!!……。」
乱暴に揺らしたり蹴ったり…。
「………!!?やった……外れた…。」
悪戦苦闘する事1時間…ようやく格子が外れて人一人通れるくらいの隙間。
「…通れるかな……。」
とりあえず椅子を格子戸の下に運び壊れた所から上半身を乗り出す。
やばお尻…つかえたかも……。
「…ん~……ぬっ、抜けない!!」
両手で格子を押すようにすると……ズボッ!!
「…痛っ~~!!」
勢いよく抜けて尻餅をつく。…でもとにかくこの部屋から抜け出すことに成功した。
「…でも裸足なんだよな……この際我が儘言わないけど……。」
スクッと立ち上がり鬱蒼【うっそう】とした森をほてほてと歩き出す。
また捕まらないようにとにかくこの家から離れよう。
不安に刈られながらも一歩……また一歩光の射し込まない森を歩き出した。
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