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「繁敏の事で話があるんだけど。」
目の前の肉塊、いや左紀子が口を開いた。
誰もが逃げ出す厳つい巨漢。
繁敏みたいな奇特な男は、そうそう見つからないだろうし。
繁敏失踪は酷く堪えてるに違いない。
「あぁ、左紀子も大変だな。……部屋に上がるか?」
正面に立たれただけで気分がへこみそうだが、繁敏の彼女だから帰れとも言えない。
左紀子は俺の部屋に入って来た。
室温が3度くらい上昇したような。
太かろうがでかかろうが、せめて可愛い系ならここまで怯まないのだが、同じ部屋に居るのがつらい。
珍妙な圧迫感が俺を包む。
「左紀子、繁敏の話って何?」
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