印籠

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両親に付き添われ、玄関に香織が立っている。 家の人は悲鳴を聞いて、まず2階に娘の安否を確かめに行ったようだ。 そりゃそうだわな。 香織を宥めて、事情聞いてからの登場。 「猛ちゃん、猛ちゃん。」 俺の胸にしがみつき香織が泣き出した。 繰り返し俺を呼び続ける。 存在をもっと確認したくて、香織を抱きしめた。 香織と左紀子。 意見が別れていた人達は、かなり俺の側につく。 「この坊やと知り合いかね?」 一人が聞いた。 「猛志君は香織のバイト先の青年だ。」 親父さんが代わりに、答えてくれてる。 香織は泣きっぱなし。 「我が家の夕飯に呼んでいたんだ。」
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