印籠

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「その女が私達の邪魔をするのよ!愛されてるのは私ぃ!!」 香織を睨み付ける。 どこまでも自分しか見えない奴だ。 「香織、携帯持ってるか?」 頷くと香織は俺に自分の携帯を差し出した。 「左紀子!これを見ろ!」 自分と香織の携帯を開いてかざす。 二人で撮った思い出の写真が待受画面だぜ! 「くっ、そんなのが何よ。」 周りのオッサン達にも見せつける、キメの印籠みてぇ。 「3ヶ月前の祭の写真か?」 「お兄さん揃いで待受にしてんの?」 さらに携帯の蓋を外し、電池パックを見せる。 そこには俺の頬に香織がキスしているプリクラ! やはりそれも2台共。
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