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翌日の昼、病院に繁敏が迎えに来た。
繁敏は包帯や絆創膏みたいなのが、顔にも腕にも施されている。
ミイラ男とまではいかないが、かなり痛々しい。
「猛志、大丈夫か?」
いや、お前が大丈夫かよ。
繁敏はいそいそとオッサンセダンに俺を押し込む。
優し過ぎるのは繁敏の長所で短所。
「俺は大丈夫、一番深い傷で5針縫っただけだから。」
大丈夫って言うのか、それ。
「元カノとはいえ、左紀子に会うとは無謀じゃね?」
せっかく会わずに済む県外なのに。
「直接話し合えば何とかなるかなって、電話じゃ埒あかなくてさ。」
良い人も大概にしろよ。
頭痛い奴。
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