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「なによ! あんた達が先に騒いだんじゃないの! 痴漢ごっこだの、ろうそくたらしだのって、本当にいやらしいんだから、もう」
「言ってねえぞ!」
「うわっはははっ」
「ぷははーっ」
ばかなやりとりに車内は、いつしか大爆笑に包まれていた。
「だ、だから、まんぐりも何も、本当に僕は、なんにもやってないって、さっきから言ってんだろーっ」
だが、良太の悲痛な叫びは大爆笑の渦の中に、虚しくかき消され、呑み込まれて行った。
―了―
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