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「海斗の反抗期?」
翌日。
王子が政府のお偉方との昼食会に向かった隙を狙い、私は海斗の実家にお邪魔していた。
早速気になっていた事を聞くと、お義母さんは首をひねり長い事考え込む。
そして申し訳なさそうに口を開いた。
「ごめんなさいね…分からないわ。なんせ15才で海斗は…」
「!!」
そ…そうだった!!!
体から血の気が引いていく。
海斗は…15才で家を出されたんだった…。
「す…すみません私…」
「良いのよ。海斗とのわだかまりを解いてくれたのは遊里さんだもの。感謝してるの。」
「…そんなっ私は何も…」
ぶんぶんと首を振り己の馬鹿さにため息を漏らす。
…なんて無神経な質問を…。
落ち込む私に気づいたのか、お義母さんが優しく微笑んで口を開いた。
「朔も反抗期みたいなものはなかったわ。……だからあんなに歪んだのかしら…。」
笑顔でさらっと言うお義母さんに呆気にとられる。
「…反抗期はね、子供にとってとても大事なものなの。心の成長に欠かせないものなのよ。…親にとってはしんどいでしょうけどね。」
「…そうですね…斗真が今まさに…私も頭を悩ませています。」
苦笑し、出された紅茶に口を付けた。
それと同時にリビングのドアが勢いよく開く。
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