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ワガママ。
そうだ。
全てはあの外人さんのワガママから始まったらしい。
彼は日本の兄弟国といってもいいくらい親交の深いニュー・カルフィードからやって来た。
しかもその国の第一王子だという。
その王子が外交で来日するにあたり、日本は大使館に豪華な部屋を用意して待っていた。
しかし…。
そこで王子のワガママが発揮される。
大使館は飽きた。
普通の屋敷に泊まりたい。
大使館では自由がない。
来日したからには日本の一般人と交流すべきだ。
などと色々文句を並べ、大使館には泊まらないと言い出したのだ。
しかし一般人の屋敷に王子を泊まらせるわけにもいかず…そこで我が家が選ばれてしまった。
日本の外務省に海斗の友人が多数居て、その人達が凄まじく推薦したらしい。
それで今日突然彼らが訪ねて来た。
何故そこまで王子のワガママに付き合うのか。
親交が深いといっても、日本はほとんどの原油をニュー・カルフィードからの輸入に頼っているので、ワガママを聞かざるを得なかったというのだ。
だけど…こんなに偉そうな王子…海斗との相性は最低最悪に決まっている。
いくら国からのお願いだとしても聞くわけには行かなかった。
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