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「だ、だって海斗や私といる時の王子は…」
「ええ。感情豊かというか、よく怒ったり得意げになったりと表情がコロコロ変わりますよね。…だから不思議で…。」
うーん、と、眉を寄せて大平さんが首を傾げる。
私も自然と自分の首が傾いていくのが分かった。
…どういう事?
そういえば…反抗期の話しをしてる時や迫られている時、私も王子に違和感を感じた。
そして何か放っておけないような気持ちになって…。
でも海斗や私にだけ感情を見せるっていうのは…ただの人見知り、とか?
いやまさか。
国の王子が人見知りなんて笑い話にもなりはしない。
「…ダメだ、分からない。」
「でしょう?私も色々考えてみたんですが、降参しました。」
「分からないといえば海斗もです。何であんな幼稚な喧嘩にいちいち反応するのか…。」
「いつもなら相手になさらないですよね。」
大平さんの言葉に頷いて再びテーブルにおでこを預ける。
「旦那様のことですから何かお考えがあっての事だとは思いますが…」
「その考えが分からないんですよね…。はー…男ってどいつもこいつも分からない!」
ヤケになって叫び顔を上げた瞬間、大平さん以外の誰かと目が合った。
「か…海斗!」
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