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王様に近づきたい、次期王として相応しくならなければ、そんな気持ちが…彼を能面のような顔にしてしまったのだろう。
どれ程の重圧だったのか。
私のような庶民には考えもつかなかった。
「き…気持ちが悪いとはなんだ!!貴様私を誰だと思って…」
「ただのガキだろう。」
「!?」
一瞬にして顔を真っ赤にした王子が怒鳴ると、海斗がまた吐き捨てるように言う。
「ただの…反抗期真っ直中のガキにしか見えんな。」
「は…反抗期…?」
反抗期って…反抗期って…え?
混乱する頭で必死に整理する。
確かに…何かにつけて海斗につっかかったり、怒りを露わにしたり…。
反抗期っぽいものはあった。
それは今の斗真のそれに似ている気はする。
だけど、どう見ても王子は反抗期がくるような子供には見えないのだけれど…。
27、8くらいにしか見えないよ…。
首を傾げつつ王子を見ると、まだ顔を真っ赤にしたままカタカタと肩を震わせていた。
「ガ…ガキだと!?私は…私はもう16だ!!!我が国では嫁をもらっていてもおかしくない年齢だぞ!!」
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