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「…………」
王子が叫んだ言葉に、海斗以外の家族全員が固まった。
きっとみんなの頭の中は同じだ。
じゅ…16才!?
こう言っては失礼だが、どこから見ても10代には見えない。
言葉づかいも見た目も、どこもかしこも。
ついジロジロと王子の顔を見ていると、視線に気付いた彼が私を睨み付けた。
「な、なんだ!」
「あ…いや…大人びた16才だなあって…」
「そうだろう。私は幼い頃から言葉づかいや動作に至るまで教育を受けてきたからな。」
誉めたつもりはないのだが、王子は胸を張って私を見下す。
誉められた、と思ったならそうしておこう。
などと考えていると、海斗にそれを呆気なくバラされた。
「老けていると言っているんだ。」
「ふっ…老け…!?」
「言葉づかいがどんなに大人でも、立場が偉くても…お前の国では16才が立派な大人でも。…お前はまだまだガキだ。親にぶつけられない反抗を私にぶつけてくるぐらいにな。」
そう海斗が言った時、やっと色んな事に納得がいく。
王子の子供じみた自慢合戦に付き合っていたのも、言い返していたのも…王子の反抗期に向き合う為だったのだ。
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