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亜希子は走っていた。
(早く帰らなきゃ!もう映画始まってるよ…)
夜9時にバイトが終わり、家へ急いで帰っていた。
その日は元々楽しみにしていた映画がテレビで放送される日だった。
友達にバイト代わってという急な頼みを断れなかった自分を悔やんだ。
(ちゃんと断ればよかったな…)
いつもの帰り道。
何も変わらない道。
亜希子は映画のことで頭がいっぱいだった。
亜希子の住む町はお世辞にも都会とは言えず、むしろ田舎という言葉がぴったりだった。
亜希子は田舎ということがそんなに気にならなかったが、ただ街灯が少ないのは少し嫌だった。
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