ウサギになりたかったライオン

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草原で愉しそうに遊んでいるウサギを 遠くから見ているライオンがいました ふとライオンは立ち上がると 静かに…そっと…そっと ウサギに近づいていきました それに気づいたウサギは遊びを止め一目散に逃げていきました 「待って!!違うんだ…」 ライオンの声は届きません ・・・それから毎日毎日ライオンは同じことを繰り返しました そんなある日 とうとう草原にウサギは来なくなってしまいました 昨日までウサギが遊んでいた草原の真ん中に ライオンは腰を下ろしました 「違うんだ…食べようと思った訳じゃないんだ…ただ…」 ライオンの目から大粒の涙が たくさんたくさん流れました 「ウサギさんが羨ましかっただけなんだ… ぼくもウサギになりたかった…」 誰もいなくなった草原にライオンの悲しい声だけがいつまでも響いていました
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