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「乙女の日記を盗み見たんだから、生きているだけで幸せだと思いなさいよ、航」
「いや、普通の乙女は男子をここまでボコボコに出来ないだろ……」
「あ? 今、ボソボソと何か言わなかった?」
「いえ、戦乙女などとは決して言っておりません。神に誓って」
現在顔が腫れている航人は、無宗教だけれど神に誓う。
航人は梓に勉強を教える為と、部屋を片付ける為にここで待っていた。
その片付けの際、机の上に置きっ放しだった梓の日記を見てしまったのだ。
そして、その時に、タイミング悪く梓が風呂から上がってきた……という訳で。
当然、梓はさながら鬼神のごとく怒り、航人を鉄拳で懲らしめた。
女子とは言え、やはりバドミントン部のエース。
梓の筋力は、一応は男子である筈の航人よりも数段上だ。
梓はようやく怒りが収まったのか、卓を挟んで航人と向かい合う形で座り込む。
「ふう、昨日だったら半殺しだったけど、今日は特別にこれだけで許すわ」
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