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ジロッ…
女は男達を睨んだが…動かなかった…
『何とか言いやがれぇぇーっ!』
男の一人が叫んだ…
『てめぇら…害虫が目障りなんだよ…だから痛め付けた…』
女は相変わらず姿勢を崩さなかった…
男達がボウガンを向けた…
『死にやがれ…催羅…』
ピンッ…
女の親指が何かを弾き…それは壁に当たると何かを埋め込み…天井に当たった…
その何かは…細い線を残しながら…また次の壁や天井に当たるのを…繰り返した…
数秒後には…部屋の中は…蜘蛛の巣の様な糸があらゆる方向を埋め尽くした…
『しまった…結界だ…』
男達が呟くと…女は笑いながら立ち上がった…
『その結界糸は…触れる事は叶わない…何故なら…それに触れた瞬間に…お前らの肉体は切断されるからだ…』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
『撃て…撃ち殺せ…』
男達がボウガンを放った…
ビンッ……
ズガッ…
放った矢は…途中の結界糸で跳ねると…撃った本人に跳ね返り…
喉を貫いた…
『ヒッ…ヒィィィーッ…』
女が動いた…
『結界の催羅…この恐ろしい名を…お前らは知らなかった…それが既に運がなかったのさ…フンッ…下らないオモチャでアタシを殺すなど…無理なんだよ…』
ビィィーン…
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