記念日

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智代 「では、冷めないうちに頂こう。 おめでとう、というのもヘン だからな これからも頑張ってくれ。 きついだろうけどな」 朋也 「そうでもない。おまえが いてくれたら」 智代 「そうか。そういってもらえると うれしい。私も朋也がいて くれたらなんだって平気だ」 そんなふうにお互いの思いを 口にして確かめる。 いつもならそのまま、その口で お互いの口を塞ぎ合うのだが… 智代はそれがもどかしいのか、 目を伏せて、ふたりの間に立ち ふさがるテーブルを見ていた。 代わりに俺はお茶の入った グラスを持ち上げる。 朋也 「乾杯しよう」 智代 「うん…」 朋也 「乾杯。」 言ってふたつのグラスをあわせた。 そして、日々うまくなっていく、 智代の手料理を食べた。
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