奇跡の始まり

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晴が顔を近づけるのを止めて あるべき距離をとった 「そういえば高校はどこなの?」 オレはふと気になったので聞いてみた 「アタシ? アタシは高校は行かないよ?」 疑問で返された… ん…? 行かない?高校に? 今の時代、高校も卒業しなきゃ就職もできないのに? 「な、なんで?」 すると晴は暗い顔になり、黙り込んでしまった マズイ! オレの第六感が察知した瞬間 「ごめん! 聞かなかった事にして!」 思わず両手を顔の前で重ねた 「フフ、ありがとう」 晴はまた元の表情に戻った 「じゃ、じゃあ中学は?」 「それも…行ってないの」 「え?」 「ホントよ」 「でもありえないよ?」 「いいじゃない?」 晴はまた暗い表情だった また、第六感が… 「変わってるね?」 「でしょ?」 晴は元通りの顔になった と、とりあえずよかった… 心から安堵した 「やべ」 高台の時計を見ると9時をまわっていた 「帰らなきゃ」 「そっかぁ、またね」 晴は名残惜しさ満点の表情だった 「とりあえず時間が時間だから家まで送るよ」 オレは、まぁ当然だけどドキドキの一言を言った 「家がないって言ったら?」 はい!?
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