思い出①…プレゼント

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それから間もなく オレは中学の卒業式の日を迎えた 朝からオレはワクワクしたのか、オドオドしたのか よくわからなかったけど ジャージ姿で部屋を出た そしていつものように 戸締まりをして、家を出た瞬間だった 「夕貴君じゃない?」 声のする方を向くと いつも世話になっている、隣のおばさんだった 「朝からランニングかい?」 「はい、そうっす。 おばさんはどうしたんですか?」 「ちょっとお散歩 なんか落ち着かなくてねぇ」 落ち着かないって… 「まだ5時半ですよ? まさか寝てないんじゃ…」 「そこまで子供じゃありません! あまり寝られなかっただけよ…」 「何時に寝たんですか?」 「たしか、旦那の夕飯を準備して、直ぐに眠って… たしか6時くらいだったかしら」 おばさんは普通に言ってのけた 「おばさんはお婆さんを凌駕するおばさんなんですね」 「ん~よくわからないけどありがとう」 おばさんは笑った 「じゃあオレ行きますね!」 「いってらっしゃい」 おばさんは見送ってくれた しかし…早いよな、寝るの
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