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オレはいつも通り、高台を目指して走っていた
まさか、晴がいるわけないよな…
そんな淡い期待をしていた
「ホントにいたよ…」
高台に晴はいた
ベンチに腰掛け、遠くを眺めているようだった
「あれ、夕貴君?
どうしたの?こんなに早くに」
晴はオレに気づいたようだ
「今日が卒業式だからかな、落ち着かなくて
そうゆう晴は?」
「アタシ?
アタシは毎朝ここで朝日を見るの
で、ちょうど昇ったから今からどこかに移動しようと思ってたとこ」
毎朝見るんだ…
「帰らないの?」
「気分よ、気分
あ、おはよう」
「おはよう」
すると晴は何か考え込んだ
「どうしたの?」
オレは晴の顔を覗き込んだ
「え、なんでもないよ」
「も~オレの前で考え込むなんてよくないぞ!」
最近になってふざける事が出来るようになった
「じゃあ知りたい?」
「ん、まぁな」
「第二ボタン欲しいな~って」
「何の?」
「制服」
「誰の?」
「夕貴君の」
「なんで?」
「男子の制服に憧れてるから」
「ホントは?」
「夕貴君のが欲しかった…」
晴の顔は真っ赤になった
勝った!
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