奇跡の始まり

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まだ冬が終わらない2月の下旬 オレは受験が終わり、勉強をしなくなった中学の帰り道を歩いていた 一人での登下校は正直寂しい いつもは馬鹿みたいに騒いで一緒に帰っていた親友も、高校入学を期に別の県に住むことになっていた もう引越しは終わってるから 今、アイツは違う方向から、駅に向かって帰っている 「だりぃな」 春になれば花見の客が賑わうこの桜並木も、今の時期じゃ枯れ木並木だ それとここは公園の真ん中だ 家への近道だから毎日利用させてもらってる 「ぜってー高校行ったら彼女作ってやる」 そんな風にぼやく事が多くなったな… 「ハァ…」 地面にあった石を蹴りながら帰っていった
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