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その漫画の山からでてきたのは、この部屋には合わないかなりの美少女。
セミロングな黒髪は艶やかでセーラー服の袖から覗く白い腕は1度も日に焼けたことがないことを物語っている。
「んー君、入部希望??」
山をかき分けてこちらへ歩みよってくる。
「あっはい…1年の山本サトシっていいます」
彼女はゆっくり歩み寄りじーっと俺を見つめる
「文芸部に入るには、他の部と違って試験と面接があるからね」
「はぁ……」
これが変わり者の美人先輩か、どこか浮き世離れした感じは大和撫子を思わせる。
そこまで噂になる程変わり者なのか謎である…
「あの、試験っていったい何をするんですか?」
すると彼女はビシッと人差し指を俺に突きつけて胸をはる。
「恋愛についてのQ&Aよ!!!」
「…………」
「なに固まってるの?さぁ答えて!!初恋の相手は?告白のシチュエーションは?キスはしたことあるの?…」
ベラベラと話しだす彼女を呆然と眺める。
なんだこれか……
「手をつないだ時の…「あのっ!!!!俺一度も恋愛とかしたことないんです!!!」
ポカンとした表情の彼女。
こっちがしたいわ…
「なので、入部希望取り消しますっでわ!!!」
すぐさまターンして早歩き。
こんな人と関わってはいけない頭の中で危険信号が鳴り響く。
しかしそれは白い手によって阻まれた。
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