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「じゃああたしが恋のキューピットになってあげるわ!!」 花が咲いたような笑顔、普通なら男はコロッとこれに落ちるだろうが今俺にとっては悪魔が微笑んでいるようにしか見えない。 「いいですよ…大きなお世話です…てか辞めてください、いんです本当…」 いいんだ俺異性に対する好きという感情さえわすれてしまったのだから… 「そんなんでいいの…??」 いきなりの真剣な彼女の表情にたじろぐ… 「君はそう言っておきながら自分の現実から目を背けている…君がそのままだったら君の世界も変わらない、そんなんじゃ人生損してる」 ひたむきな彼女の言葉はすんなり耳から体へと入ってくる。 「だから私はあなたの世界を変えて人生に希望をもってほしい…お願い…」 「そんなこといわないでくださいっ」 俺のことをこんなに考えてくれるだなんて。 「俺の方も自暴自棄になってました。理解できない恋愛感情について諦めていたのかもしれない」 彼女の目を見て言う俺の本心。 「山本サトシ、今日から文芸部に入部します。マネージャーの方よろしくお願いしますね、先輩」 久々に笑ってみる、彼女を正面に見て。 しかしのちのちとんでもないことがおこる事を俺は知らない。
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