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ええと、どこまでいったか? ……まあつまり、異世界の力を引き出すためには、正しいクレストに正しいスコアをぶつければ良いわけで──。
『……死んだ?』
『立ったままか? それは興味深いな。是非ともシュウの身に何が起こったのかを解明してやらねば』
……おい。
『あ、今こっちの眉がピクって動いた!』
や、闇の中に思考を投じれば……、何かがグニグニと俺の左眉をいじってくる。眉が押し上がるたびに僅かに瞼が開き、その視界の中には見知った顔の女がいるのが分かる。そいつはくりっとした青色の瞳で俺を見上げながら、俺の左眉をつっついていた。
その表情は明らかににやけている。
……若干腹立たしい。
『なんと! 死後硬直か!』
うっさい黙れ。明らかに深刻そうではないもう一つの声に、俺の苛立ちがさらに増幅する。せっかく現実逃避を試みていたのに、引き戻してくれるな。
『ああ! 次は口元がヒクヒクと!』
『なんとぉ!』
「っだあー! うるっせぇよお前ら!」
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