『無題』

１

飾り付けた過去。

思い返せば、幼稚園年中。

妹が生まれた時だ。

いい子になる、それが、私の役目だった。

お腹に赤ちゃんがいる母に無理をさせてはいけない。

父も、仕事に母のことあるのだから、これ以上、迷惑かけてはいけない。

生まれてからも、父と母は、妹につきっきり。

たまらなく、妹が嫌いだった。

私から、オモチャも、親も、友達、おやつすら自分のものにしていく妹。

いつしか、妹の好きなものに一切手をつけなくなった。

迷惑かけてはいけない、負担になっちゃいけない。

徐々にそんな思いばかりが、あった。