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バレンタインデー
ある人には特別な日
またある人には
「チョコレートがただ好きなだけなのに買えないよ😢」と嘆く日
そんな僕のバレンタインデーは…
小さな頃は近所のすべてが遊び場だった
もちろん他人の庭などお構い無しで
通れる場所はすべて道
初めて通る場所は冒険気分で探検家
近所の友達同士では誰が一番道を知ってるかでその強さが決まる
だから日々捜索活動
てな具合でひたすら走り回る毎日だった
そんなある日、
僕はいつもの如く近道見つけるために遠回りをして公園に向かう
知らない人の家の庭に恐る恐る入り
小さな畑の育ったその庭を踏まないように通りすぎようとした
「何か用かね。」
突然声をかけられて、逃げるのを忘れて固まる僕
そこに居たのはヨボヨボのお婆ちゃん
さすが年の功、僕に気配を悟らせないとはやるな!
なんて事を幼少期に思うわけもなく
「ごめんなさい…。」
と、小さな声で謝る
「気にしなくていいから、そこにイチゴが生ってるだろ、食べていいよ。」
お婆ちゃんは縁側に腰を下ろして僕に言う
僕は言われるがまま
イチゴとゆう強烈な誘惑に勝てるわけもなく
1つもぎ取って食べた
小ぶりだけど美味しい🎵
味覚音痴の僕にとってはイチゴなんて高級おやつだ
「まだ少し酸っぱいかもしれないね。」
そんなことはお構い無しにもう1つ頂く
「そう言えば今日はバレンタインデーだねぇ、チョコレートは無いけどイチゴは全部食べてもいいからね。」
すでに恐怖心など忘れて、無我夢中でイチゴに食い付いた僕…
それが初めて他人から貰った僕のバレンタイン
そのお婆ちゃんにホワイトデーのお返ししてないな…
あれ以来幾度となくお世話になったお婆ちゃんと畑に実る果物達
しかし大人になるに連れてその回数は激減し
いつの間にか思い出すことすら無くなった…
更に大人になって、やっと思い出すことができたのに
もう、お婆ちゃんにはお礼も言えない
だからいつか、僕がお爺ちゃんになったら
庭でイチゴを育てよう
ホワイトデーには誰が招待しなきゃね🎵
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