丑三つ時

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場所は宿の最上階にある宴会場。丸魃組―――反政府団体でもある彼等は、明日行うテロ計画の志気を高める為、盛大な宴会を執り行っていた。飲めや歌えやの大騒ぎ。男達は浴びるように酒を飲み、馬鹿笑いを繰り返す。そんな宴の場に、彼等は土足でのり込んで来た。 ドスッ 不可解な音に男達は振り向く。見れば、襖の一番近くに座っていた男の胸から手が生えていた。それがズルリと引き抜かれると、男は血を吹き出して倒れる。そして一気に襖が開け放たれた。そこに立っていたのは、右手を血で濡らした先程の男。 「初めまして弱者の皆さん。今回かぶき町に派遣された鎮圧部隊第七班班長、神威です。俺としてはあんまり気乗りしないんだけど、今から丸魃組を粛清します。」 じゃあ、と。神威が手を叩く。次の瞬間、刀を持ったスーツの男達が、丸魃組の組員に向かって走り出した。
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