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「何が不思議なん? 特に変わった様子はないで」
崇之が真由香に聞くと、理香も理由がわからないらしく、小首を傾げた。
「え……だって、ここって生きてるスタッフはいないですよね」
「それがどないしたん?」
「野菜……誰が買い付けてるんだろうなぁ……と」
「……まぁ、確かに」
崇之は納得し、頷いた。
「確かにじゃない……既に不可解な状況なのだから、その程度は些末な問題」
理香は呆れ、ため息をついた後、呟いた。
「……誰なんだろう?」
崇之はそれを聞き逃さなく、ニヤリと笑いながらツッコミを入れてきた。
「なんや? 理香もやっぱり気になるんや」
「え? 何だかんだ言っても、理香さんも気になるんですか?」
真由香もそれに乗っかって、理香を見ながら笑っていた。
「うっ……うるさい! 時間がないんだから先を急ぐわよ」
理香は赤面した顔を隠すように下を向き、正面にある扉に向かい歩き出した。
「理香も可愛いとこあるやんか」
「理香さんは元々可愛いですよ。 崇之さん」
「確かに可愛いな――乳が」
崇之と真由香がそんな話をしていると、理香は冷蔵庫の中央辺りで立ち止まった。
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