第三章 リミットの果て ~未練の鎖~

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理香は振り返り、二人をじっと見詰めた。 「……崇之」 「すっ、すまん! 冗談や理香!」 「……それに関してはどうでもいい……それより、あれを見て」 理香はうず高く積み上げられた段ボールがある壁の方向を指差した。 「ん? 野菜がどうかしたんか?」 「違う、その奥」 理香がそう言うと、真由香が段ボールの隙間を覗き込む。 「あ! 扉が在ります!」 「この奥、血の臭いがする」 理香の言葉に顔を見合わせた崇之と真由香は頷き、段ボールをどかし始めた。 段ボールがなくなり、銀色の鉄の扉が現れ、近づくと確かに血の臭いが鼻をつく。 「こんなところに扉が隠れとるとはな」 「えぇ、怪しさ満点ですね」 「ほな、入るで……」 崇之が扉を開けると、温度差から白い煙が吹き出した。 崇之と真由香が中に入った後、理香は胸を触りため息をついた。 「……可愛い……胸」 「おい、理香! 何しとんのや!? はよ入ってこいよ」 「わ、わかってる! 今行く」 崇之の声に本来の目的を再認識し、理香は慌てて冷凍庫へと入って行った。
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