第三章 リミットの果て ~未練の鎖~

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「朝まで、火の手が館中に回らない保証もないわ」 理香も、火を放つ事に不安をぬぐいされなかった。 「そうか……なら好きにしたらえぇ。 しかし、忘れるなよ、このままだと三時を過ぎたら間違いなく死ぬで。」 将幸はそう言うと、消えていった。 渚も将幸の後を追うようにその場から消え去った。 「どうする? 理香」 「どうするって言われても」 理香が死体の山と時計を見比べながら、首を横に振った。 そんな中、真由香は一人死体の山の前に座り込み、ポケットからライターを取り出して死体の洋服に火を放った。 「おい! 真由香ちゃん!」 「あんた、何してるの!?」 じわじわと炎は燃え広がり、死体のを覆い尽くした。 「二人とも、しっかりして下さい! あと数十分しかないんですよ!」 「確かにそうやけど……」 「なら……今やるべき事をしなきゃ!」  真由香の思いがけない行動力に面食らった理香だったが、一呼吸ついた後、真由香と視線を合わせるとクスリと笑った。 「そうね……やるべき事をしないとね」 理香の言葉に真由香も笑顔をこぼした。
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