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「真由香、崇之、やれるだけやって火を食い止めるわ」
「具体案はあるんか?」
「……」
「……ないんかい?」
崇之のツッコミを意図的にスルーし、理香は冷凍庫と冷蔵庫を行き来し、間取りを頭に入れると、真由香と崇之に指示を出し始めた。
「崇之、調理場側の扉の向こうに野菜を積み上げて」
「扉の向こう?」
「そう……調理場のガスに引火したらダメ。 炎が入らないようにして」
「成る程な」
崇之は納得し、野菜の段ボールを積み上げ始めた。
「真由香、あなたは逆側の扉が閉まらないように段ボールで扉を固定して」
「こっちは閉めないんですか?」
「そう……閉め切ると酸素が無くなり火が消える」
「あ! 成る程! わかりました」
真由香も逆側の扉へと向かい、段ボールで扉を固定し始めたのを見届けると、理香は冷凍庫に入っていき、壁に付着している氷を集め始めた。
崇之と真由香が仕事を積み上げ終え、冷凍庫に戻ると、小さな身体をいっぱいに伸ばして壁の上の方の氷を採取してる理香を見て、顔を見合せた。
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