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「理香のやつ、何しとんのや?」
「さぁ……なんか氷を集めてるみたいですね」
理香は再度勢いをつけて手を伸ばしてみたが、氷までは届かなかった。
「……届かない」
仕方なく諦めて、これまでに集めた氷を確認した。
「これだけ在れば足りるか……あとは」
理香は冷凍庫内を見回し、木箱を見つけると、中に入っている物をぶちまけ、氷を入れて燃え盛る死体の山まで持って行き、そばに木箱を置いた。
「……あとは待つだけね」
理香は時計を確認すると、時刻は二時半を過ぎていた。
「……私達にはこれくらいしか出来ない。 でも……未練の鎖から解放された、安らかで静かな眠りを」
理香は死体の山に向き直り、手を合わせた。
入口の辺りで見ていた崇之と真由香も、理香に倣い、手を合わせて死者達の冥福を祈った。
数分後、木箱を氷が溶けて水に変わると、理香はそれを持ち、両扉の積み上げた段ボールに水をぶちまけた。
「理香さん、何で水を?」
「……段ボールに引火しにくくした。 もう三時になる、一旦合流した方がいい」
理香達は、一旦廊下に出た後、クリーンルーム経由で調理場を抜けてホールへ向かったが、階段で理香が急に立ち止まった。
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