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『epilogue』
吹き荒れる、氷の結晶。
夜の闇。鼓膜を震わせる風の音。
生きる者全ての身を切り刻む厳寒。
冬の山奥。
辺りに人気はなく。
電話線は切られ、携帯は圏外、外部との連絡手段は皆無。
そんな吹雪に囲まれた建物の中。
僕はひとり閉じ込められている。
恐怖に身を震わせながら、自分の部屋にひたすら閉じこもる。
いや、厳密に言うと、ひとりではない。
オーナー夫妻を含めた宿泊客7人の死体と………彼らを殺害した『犯人』も一緒だ。
奴は近くで息を潜め、獲物を狩るタイミングを探っている。
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