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雨が降る中、少女は歩いていく
道無き道を 色の無い世界を
少女の生きる世界には光が無かった
音と感覚だけがすべてだった
冷たさに打ちひしがれながら
ボロボロの服をまとい 細い杖をつき
少女は道無き道を歩いていく
ソレは濡れながら歩いていく少女を見ていた
ソレは人間に災いをもたらす存在だった
ソレの存在は絶対であり
ソレを人間は恐れていた
ソレは知っていた
少女が生きる世界に光が無い事を
少女の目は物をとらえない事を
そして…そのせいで少女がどんな扱いを受けているのかも……
ソレは飛び立ち
少女の元へ 翼を広げ………
降りしきる雨の感覚が消えた
雨音は変わらず聞こえるのにだ
背後に気配がある
少女は訪ねた
……誰…ですか…?
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