4人が本棚に入れています
本棚に追加
ソレは驚いた
完璧に気配を消していたはず なのに
目の前の少女は見破った
もしや目が見えるのかと疑うが
やはりその目は光を写していない
怯えさせないよう慌てて人間の声を創る
…ゃ゛…やあ…私は……
…通りすがりの者だよ
その…君があまりに濡れていたから…
ふと我に帰る
人間に話しかける事など無いと思っていた
ましてや怯えさせないため?
僕はバケモノだ
人に災いを与える存在
ソレが思いを巡らせていると
少女はおかしそうに
私は…バケモノです 優しいのですね
衝撃をうけた
自らバケモノと名乗るこの少女に
僕も…バケモノだ
言って後悔する
後悔?なぜ後悔を?相手は人間なのに?
何故怯えさせないよう気を使う
私は何をしている?
落ち着け……
―どうしてバケモノなんて言うんだい?
姿形がそうならともかく
目の前の少女はバケモノとはほど遠い
少女は苦笑し 言葉を出す
最初のコメントを投稿しよう!