紅白戦

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「また瀧君でもみてたの??」 美咲を呼んだ本人・藤元橙子(フジモトトウコ)は悪戯な笑みを浮かべる。 美「そ、そんなんじゃないよ!!」 美咲は慌てて否定するがそのおぼこい顔はほんのり赤みを帯びている。 橙「ほんっっとに美咲ってわかりやすい! 弄り甲斐があるわぁ‥」 橙子は弄りながら美咲の両頬を指で突く  橙「でもほんっとに美咲も一途よねーー 小学校からなんでしょ??」 主語を飛ばす橙子だがその意味を充分過ぎる程判る美咲は黙って頷くーー 橙「告白とかしたの??」 橙子の質問に美咲は否定の意味で首を振る  そんな美咲を見て橙子は溜め息を吐いた 橙「一途なのも良いけど、黙ってるだけじゃ永遠に片想いのままだよ? 美咲がこのままで良いって言うのなら私は何も言わないーー だけど気持ちを押し殺して我慢するのはとっても辛い事だと思うよ?? 私は傷つく美咲は見たくないーー」 橙子の言ってる事は判るーー 何度も美咲は京介に話し掛けようとしたーー けど…… もし『私なんか忘れていたら』と思うと怖くてーー 美咲は自分の不安を橙子に打ち明ける  橙「そんな事無いと思うよ  私は瀧君の事良くは知らないけどとてもそんな人は見えないーー だってーーー 美咲の初恋の人なんだから!!」 根拠は無いーーがそれは京介を信用するからこその言葉だった。 橙子の言葉に美咲の勇気を覆っていた『なにか』は消し飛んだーー 美「ありがとう…… うん!!私頑張るよ!!」 橙「それでこそ美咲よ!!」
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