葵と始点

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「そう言ってくれるのはうれしいけど‥。もっと色気づいてもいいのに」  「どうせ私は色気より食い気ですよー。大丈夫、なるようになるって」  思えば、ずっとこんな風に受け流してきた気がする。  今までも一定の期間を経る度に、柚真から同じような話題がふられてきた。 その都度先程同様、なるようになると先延ばしにする。   さすがの私も、大学生にもなれば男の1人や2人‥みたいに楽観視していた。 だが結果まったく浮いた話しのないまま、大学2年生になってしまった私がいる。  もちろん危機感もないし、やっぱり彼氏が欲しいとも思わない。  だがたいして変化のない、マンネリした生活に飽きているのも事実だった。 つまるところ私が欲しているのは、男に限らずとにかく刺激的な日々なのだ。
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