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何を言い出したんだろ、この人は‥?
探偵って。
たまに街の看板で見かけたり、ほとんど漫画の世界の話しだと思っていた私にとってひどく現実味がなかった。
「探偵っていってもバイトみたいなものなんだけどね。俺はあくまで学生が本分だし、目指してるとこは警察庁」
「はぁ‥」
私との温度差を察しているのかいないのか、かまわず市井は語り続ける。
「原田弥紗。23歳。神奈川県出身。四山学院大学院医学部在籍。両親は共に死別し現在は妹の紗弥と2人暮し。アルバイト先であるレストランでは週3、4日の割合で勤務。帰宅時間は主に24時前後‥」
淡々と弥紗の個人情報を話す市井に最初は嫌悪感すら抱いたが、段々探偵というものに興味を持ちはじめている自分がいた。
だが彼がなぜこんなことを私に話すのかわからない。
彼は何のために私をここへ連れ出したのか。
「あの‥結局なんなんです?弥紗さんなんかヤバいことにでもなってるんですか?」
「‥‥」
私の質問で、市井の表情がよりひきしまったように見えた。
「俺に依頼してきたのは原田紗弥。君も面識あるよね?」
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