伝法屋一生という兄貴

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「四人?」 聞き返す。 「そう。四人だ」 指を四本だけ広げ、一生はにっと笑う。 確かに、ニュースやらの発表では、同時刻に事件が起きた事やその犯行の手口から、二人、あるいは三人が犯人である可能性が高いとなっていた。 しかし、四人は初耳だ。 「根拠は?」 「手口から、その人間性を見れば明らかだ」 「人間性、ね。さっき個性はいらないとか言ってたのは何なんだ」 「そう。個性は必要無い。けれど個性は確かに存在する。面白いと思わないか?人間は」 「さあ」 特に興味も無く曖昧に返すが、一生はただ楽しそうに笑っていた。 いつもそうだ。 人生が、人間が、好きで楽しくて仕方ないとばかりに、一生は馬鹿みたいに笑うのだ。 「そこで、次男。お前に手伝ってもらいたい」 「何の話だ」 「嫌だな。僕の話を聞いていたのか?」 嫌なのは俺の方だ。 無理矢理話を聞かされる身にもなってみろ。 一生は一度呆れたような顔をしたが、すぐに楽しげに表情を歪ませた。 「だから、殺人鬼退治だ」
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