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それはあまりに急なお言葉でありました。
もう、三日も前の事でありましたか、障子を開け部屋にて花を生けていた父上は手をやすめ庭にいた私に こうおっしゃいました。
「忠利、高山右近は 今頃どうしているであろうな」
私は庭に咲く花を見ていましたが、父上の居られる方を慌てて向き しかしそのお言葉への返答にはやや時を食ってしまいました。「私には分かりかねます…ですが、高山殿なら今も信仰に励んでおられる事でしょう」
今思えば不甲斐ない返答でありました、―ですが あの時の私にはそれが精一杯だったのです。
しばらくは互いに無言でいました、私はもう花を見る事など忘れて唯ひた聞こえる ぱちん ぱちん と父上が花を切る音に聴き入っていました。
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