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周りを確認する、人影は無し
部屋の施錠を解こうと鍵穴に折ったヘアピンを入れる
ガチャガチャっと鳴らしながらも開いた
「…よし!」
ぺちっと頬を叩いて気合いを入れてコーラ缶を2つ持ち、部屋に侵入する
「今日こそ聞かなきゃ…お邪魔しま~す…」
小声で言って奥へと進んで行くが湊は居ない
もしかしてお風呂かな…
そしてつい想像してしまい顔が赤くなる
何考えてるの私…!?
ぶんぶんと顔を振り、湊を探す
風の音が聞こえてそちらを見ると湊がベランダに立っていた
「ほわぁ~…」
数秒見とれて正気に戻る
そーっと湊に近寄ると何か考え事をしてるようだった
「こんばんわ、湊」
挨拶に気付い湊がこっちを見て言った
「俺確か鍵かけたはずだが?」
「私の前では紙切れ同然です」
えへんと胸を張ったみた
でも第一声は挨拶でしょーと思ったが湊だしある意味予想通りだった
「はいこれ差し入れ」
「あぁ、ありがと」
コーラ缶を渡し少し離れた
離れた理由は勿論、部屋に入る前に振ったからだ
知らない湊は普通に開けてコーラを被った
「おい…振っただろ」
「ちがっ…違うよ~…ぷっ…」
笑いを堪えるのに必死だった、それぐらいコーラの被り方が面白かった
ひとしきり笑ったら夜風が肌を撫でた
「ふ…ふにゃん!!」
変なくしゃみが出てしまった…
うぁー湊に変なくしゃみ聞かれた…恥ずかしいなぁ…
鼻を啜ってると湊がこっちを見ていた
「お前も部屋に入れ、風邪ひくぞ?」
「ふわぁーい」
ベランダの扉を閉め、湊のあとを追ってみる
温めてー…これは恥ずかしいにゃー…
そう思ってると湊は冷蔵庫の中を見ていた
「今日は…パスタかな」
「湊シェフのボンゴレパスタ!?」
思わず湊の言葉に反応してダッシュで冷蔵庫に向かい探った
湊は料理上手で特にボンゴレパスタは絶品だった
アサリ様どこ~っと念じながら探るとすぐに見つかった
「発見~♪」
うん、嫌って言っても食べさせて貰おう
それを知ってか湊は呆れ半分でも言ってくれた
「…食べてくか?」
勿論、否定する理由なんか無かった
はぅー美味しいよぉー
まさに絶品と言えた
アサリの旨味がパスタ全体に行き渡っていた
半分ほど食べて湊の部屋に来た理由に気づいた
そうだ…言わなきゃ…
手に拳を作り、精一杯になりながらで言った
「あのー聞いてもいい?」
「何だ?」
「湊は好きな人いる?」
「…は?」
ドキドキした胸で湊を見つめた
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