36人が本棚に入れています
本棚に追加
じーっと見据えられて目を離せず数秒し、やっと口が開いた
「いきなりなんだよ?」
ぶっきらぼうに言ってみたがやはり顔が熱い
俺に好きな人はいない…気になるやつはいるが詩織には言いたくない
「私はいるよ…?」
その言葉を聞いて少し頭に痛みを覚えながらも会話を続ける
「へぇー…誰?」
「それは…内緒です」
詩織は人差し指を口に当て、しーっと言うポーズをとった
何故かそのポーズにみとれていた
「湊?なんかしんどそうだよ?」
「何が?」
「顔赤い」
「部屋が暑いんだよ」
そんなやり取りをしていたら不意に寒気が襲った
「は…くしゅん!」
盛大にくしゃみが出た、どうやら寒気の原因はおそらく風邪だ
「大丈夫?」
「大丈夫、シャワー浴びて夜風に吹かれただけだ」
言いながら自分は何してるんだと思っていたら詩織も同意見らしい
「馬鹿!風邪引くって注意した人が風邪引かないでよ!」
あー、同意見…
詩織は俺の前に来て肩を貸してくれ、ベッドへと運んでくれた
「悪い…風邪うつったら悪いし今日は帰れ」
「何言ってんのさそんな顔で」
とてとてと走って戻って来た詩織は右手に洗面器(水)左手にタオルを持っていた
程よい冷たさのタオルはとても気持ち良かった
「寝るまで側に居てあげるから寝ていいよ」
「本当に…うつるぞ」
半分眠りかけながらも詩織に伝えたが聞こえただろうか…
「別に…湊…ら…い…よ」
よくわからなかったが睡魔としんどさに負け、眠りに落ちた
最初のコメントを投稿しよう!