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暖かな日差しの中
亀さんとウサギさんはかけっこをしておりました。
亀さんは一生懸命走りますが、何度やってもウサギさんには勝てません。
『やったぁ♪また、私の勝ちね^^』
と喜ぶウサギさんに亀さんは
「いいなぁ、ウサギさんは・・・。」
と呟きました。
「ボクがいくら一生懸命走っても君には勝てやしないもの。」
ウサギさんは何と言っていいのか分からず言葉をつまらせてしまいました。
「ふわふわな毛に覆われてる君はいつだって可愛がられるし、高くジャンプもできる。
それに比べてボクはヌメヌメとした体で何のとりえもない。
ボクはノロマな亀だもの。」
そういって亀さんは沈み込んでしまいました。
『でも、亀さん
貴方は万年生きられるんでしょ??
ほら、亀は万年っていうし。
私の寿命なんて貴方に比べればとても短いの。
私、貴方が羨ましいわ。』
「ボクは長生きなんてしたくない!!」
ウサギさんはビックリして亀さんをみつめました。
「ボクみたいなノロマな亀が長生きしたって何もいいことなんてありゃしない!
惨めなだけだ!!」
そう言い放つと亀さんはノシノシと家に帰って行き、ウサギさんはただ呆然とその場に立ち付くし亀さんを見守ることしかできませんでした。
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