▼ もっと愛し合いましょ

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(なんか、キズつくわ~…) うち一応彼女やのに。 一番近い場所におるはずが一番遠くや。 所詮うちはマネージャー 共に戦うナインには勝てんのやなあ… うちらしくもない寂しい気分のまま ミーティングを終え帰り道を歩く。 よく考えてみたら うちのチームは勝ったんや! よかったやん 喜ばんと損損っ! やったー… とか思っても寂しい気持ちは消えない。 肩を落としたそのときだった。 「菜々香~今日は早いな」 「稜駿....」 稜駿がそこにいた…。 「今日の俺、カッコよかったっしょ!」 イェ~イ! とピースして稜駿はニコッと笑った。 なんだか可愛くてこっちまで笑えてくる。 「何笑ってんだよ~」 稜駿はちょっと膨れると うちから目を反らして言った。 「お前、すっごい応援してくれてただろ」 「え…聞こえてたん?」 「通じたよ。答える余裕はなかったけど」 心がぽっと温まった。 うち、ちゃんと彼女できとったんかも!? お互いに自分で精一杯なようで 意外と通じあってた! うちは嬉しくて、つい言った。 「完投祝いに明日2人でどっか行こうや」 「ダメ。練習」 やっぱりいつもの稜駿。 忙しいとか理由をつけて出掛けたがらない。 「じゃあ、いつならいいん?」 「そうだなあ…次、元太が打ったらな!」 「何やそれ!」 「あと...1年はかかるな(笑)」 「はぁ?あと1、1年も~?」 「あははは。すげぇ顔(笑)」 「笑うなっ!!」 稜駿と二人で、お喋りしながら歩いてると こんな関係も素敵かなって思える。 でもな、いくらなんでも素っ気ないやん! ひとつくらいお願いしてもええよな? 「りょーま?」 「ん~?」 「もっと愛しあいましょ!」 END nextあとがき .
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