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これが精一杯の声だった。
「え...どういうこと!?」
抱きしめていた腕を一度離して。
見つめてくる綾駿。
「だって、彼女おるんやろ?
お弁当やって受け取れへんって....」
「弁当?あっ俺。菜々香が好きだよ?」
「...は?」
「自分で作ってるんだろ?弁当。」
「なんでそれを...」
「女子が話しててさ。
ずーっと気になってたんだ」
「......。」
今だに信じられへん!
ずっと。
うちの片想いやって
そう思っとったから。
嬉しくて
涙がとまらん。
うち....。
諦めへんといても、ええの?
好きでいてもええの?
「今度はさ俺の分も作ってこいよ。
もちろん唐揚げ入りでさ(笑)」
そう言って、大好きな笑顔を。
うちだけに向けてくれた。
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