▼    愛しのからあげ

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これが精一杯の声だった。 「え...どういうこと!?」 抱きしめていた腕を一度離して。 見つめてくる綾駿。 「だって、彼女おるんやろ? お弁当やって受け取れへんって....」 「弁当?あっ俺。菜々香が好きだよ?」 「...は?」 「自分で作ってるんだろ?弁当。」 「なんでそれを...」 「女子が話しててさ。 ずーっと気になってたんだ」 「......。」 今だに信じられへん! ずっと。 うちの片想いやって そう思っとったから。 嬉しくて 涙がとまらん。 うち....。 諦めへんといても、ええの? 好きでいてもええの? 「今度はさ俺の分も作ってこいよ。 もちろん唐揚げ入りでさ(笑)」 そう言って、大好きな笑顔を。 うちだけに向けてくれた。 .
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