35人が本棚に入れています
本棚に追加
日はもう少しで沈み、空を紅く染めていく
戦で死んだ兵士に群がり肉を啄む鴉は、「カァ」と不気味に鳴き黒い翼を羽ばたかせ何処かへと飛んでいった。
「被害は…?」
「半数近い」
「動ける者は?」
「…そのまた半数だ」
「…容赦なく減っていくな」
「……嗚呼」
戦が激しくなるにつれて、明確になっていく圧倒的な兵力の差、兵糧の不足、兵の不足…。
薄々兵の皆は気付きはじめていた…。
これは「負け戦なのだ」 と。
最初のコメントを投稿しよう!