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「あー…顔中天人の返り血でベトベトだ」
顔にベッタリと付いた返り血を、嫌そうに拭いながら銀時は言った。
「後で顔を洗えば良かろう」
天人を斬り付け銀時の側へと寄ると済ました顔で桂は言った。
銀時は桂に向くことなく、横目で相手を見据え
「あ、ヅラじゃん。生きてたんだ」
と、嫌そうに言った。
「失礼な、俺は死なん。生きているぞ…死ぬか銀時」
桂は、額に青筋を浮かばせて刀の刃先を相手にむけた。
「嘘、嘘。生きてて良かった…一人だったら嫌だったしなぁ」
その言葉を聞いた桂は、「貴様を置いて、俺は死なん」と言うと銀時に向けた刀の刃先をダランと力が抜けたように地面に下ろした。
「…………。」
銀時は何も言わずに天人の軍へ突っ込んで行った。
その後ろ姿を、桂は悲しそうに見つめた後、後を追うように銀時が攻めて行った天人の軍に自分も突っ込んで行った。
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