第二章 言いたい言葉

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あの時… “嘉耶お姉ちゃんが好きなんだよ?” って、舞弥ちゃんに言っていたら… 俺と嘉耶がこうして今一緒にいる未来があったんだろうか…? あの時本当はそう言いたかったのかもしれないという気持ちが、今になってもなお強く俺の心に残っていた… トイレを済まし、またさっきのリビングにあった舞弥ちゃんが書いた紙をチラリと見てから、嘉耶の部屋に向かって行った… 部屋に着くまでの間、自分の心の中で“告白する”気持ちと“このまま告白しない”という気持ちの葛藤がものすごく起こっていた…! 今のままの関係で…本当にいいのだろうか…? 仲の良い女友達“瑞梨嘉耶”ではなく、深い関係である彼女という名の“瑞梨嘉耶”にしたいという気持ちが確実に強くあった…! 嘉耶に伝えたい… “好き”だという俺の素直な気持ちを… もし断られたとしても、この気持ちを伝えないままじゃ絶対に後悔してしまうし、もったいない気がした! 誰に何と言われたとしても“嘉耶を好き”だという想いは変わる事はないんだ! だったら“いつか”告白するんじゃなくて、“今”告白しなきゃダメなんじゃないか…?! いろんな気持ちを心に残しながら俺は、嘉耶の部屋の扉をゆっくりと開けた…!
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