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退屈な毎日。
やることと言えば、来客の際に国王と王妃に付き添い、式典の際、国王と王妃に付き添い、あとは部屋に籠もるだけ。
城の中では自由は保証されていた。だが、それは自由とは呼べなかった。
国王は姫である娘に危険を与えたくなかったのだろう。部屋から出歩く時は必ず騎士が付いて行った。部屋の前には必ず騎士がいた。まるで門番のように。
城の中には彼女が気を許せる友はいなかった。話しかけても、遊ぼうとしても、どこか偽りの振る舞いが混じっていたように思えた。
国王が厳しく目を光らせているからだろう。使用人たちはお姫様の気を害さないよう、国王に罰せられぬよう、彼女と特別親しくする者も、特別遠ざけようとする者もいなかった。いつも愛想笑いしていて、その裏には何かしらの感情が隠されていた。
すべてが人形のように思えた。
すべてが嫌いだった。
唯一の楽しみと言えば、部屋にある本棚に並んだ物語を読むことだけだった。
本は隠し事はしなかったから。
本は自分にちゃんと接してくれるから。
中でもお気に入りの本は、一人の騎士のお話だった。
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