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碧は今日も考えていた。
どうしたら自分がこの悪い考えから抜けられるのかひたすら考える。
昔から人を恐れ、人の輪から外れていた碧。
最近は両親からも目を反らし、部屋に引きこもっていた。
しかし相変わらず考えはネガティブな方向にいき、しばらく目に涙を溜めて布団に潜る。
そして泣きつかれて眠る。
そんな毎日。
たまに部屋に出てくるが、両親は彼女を見るなり
「仕事は?」
「働け」
と言われる。
当然のことだ。
だが、今の碧にはそれさえも嫌な方向に聞こえる。
そして耳を塞ぎ部屋に戻っていく。
分からない、聞きたくもない。
碧は何から逃げていく?
それさえも解らなかった。
そんな碧であったが、外に出ることはあった。
誰もいない真夜中。
青白い光が照らす月夜。
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