異動は突然に…

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「察しの通り、問題は分家よ。彼らは私、及び娘の暗殺を目論んでいるはずよ」 「大方権力と支配欲に駆られた馬鹿どもの考えだろうな……」 民衆はこの国の自国防衛の思想に賛同している。 問題は貴族や王族の分家だ。彼らは権力に駆られた亡者のような存在。自国を強大にすることしか頭にない。そんな彼らに、現女王のような平和主義者は邪魔でしかない。 「そうね…あまり私も人のことは言えないけど……」 「…………」 黙るしかできないな……。彼女も権力に踊らされていた1人だ。だが戦いの真実を…その凄惨さを見て考えを改めた。……当然だ。人の死を踏み台にする……決して気分のいいことではない。 「ま、とりあえず……あいつのことは任せな。どうにかなるだろ…。ヴァルキュリアはその時決める」 そう言って部屋を出た。おかげで女王の放った最後の一言が聞こえなかった。
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